noteの「行かないスパ評論」第1弾でアマンの新作ヨットを取り上げましたが、あちらでは書ききれなかった「深すぎる闇」を、ここスパ公式サイトで全公開します。 華やかな「浮かぶ日本旅館」の裏側に潜む、ドロドロとした経済戦争と哲学の死。その真実にメスを入れます。
2027年、ウェルネス界の頂点「アマン(Aman)」が放つスーパーヨット「Amangati(アマンガティ)」が就航します。全長180メートル、わずか47室のオールスイート。まさに「海に浮かぶプライベートアイランド」の誕生です。
■ 船上に現れる「旅館」という異空間
注目すべきは、1,000平米を超える広大な「アマンスパ」。コンセプトは「日本の旅館」だそうです。地中海の真ん中で日本庭園を眺め、温浴施設で整い、日本料理でデトックスする。
一般的なクルーズのような飽食や野暮なレジャーを排除し、ヨガ、瞑想、さらには点滴やメディカルスパまで完備したそのストイックな姿勢。スパ愛好家として深く興味をそそられる完璧な演出です。
……しかし、その完璧なパッケージの裏側に、私はノイズを感じて止みません。
■ ざわつき:アマンの哲学はどこへ消えた?
かつてのアマンの真髄は、その土地の自然と共鳴する「土着の力」にありました。野生のハーブや未精製のオイルに価値を置く「天然ワイルドの生命力」こそがアマンの哲学だったはずです。
それが日本進出の頃から、プロダクトを「コーセー」が手がけるという暴挙に出た。 化学物質をふんだんに使用した使い勝手の良さとコマーシャリズムの成り立つ巨大資本と、アマンの野生の哲学。
これは水と油じゃない?
ビジネス的な政治力が働いたとしか思えない融合です。この時点で、私の中のアマンへの憧れはシュッと冷めてしまいました。
■ 経営権強奪と「ナオミ・キャンベルの元カレ」
なぜこれほどまでに変貌したのか?
実はアマンの裏側には、血も涙もない経済戦争がありました。 創設者のエイドリアン・ゼッカ氏は、日本進出の時期に理不尽な裁判を仕掛けられ、経営権を乗っ取られていたのです。
その主犯はロシアの不動産王。あのナオミ・キャンベルの元カレだというから、その強欲な人となりは想像できますね。数字と合理性しか見ない彼が、アマンの世界観を「不動産ビル転売の道具」として利用し始めたのです。
それまで広告やマーケティングは使わず、アマンジャンキーと言われる熱烈なリピーターを獲得していた創業者エイドリアン氏が退く形になったそうです。本当に胸が痛みます。
それがアマン東京を皮切りとした、世界のアマン不動産事業の流れです。まさに自然豊かなリゾート、地元の食材、地元の労働力だったアマンが、高く積み上げた区画を販売するなんて。
アマンの名前がついたビルはニューヨーク、バンコク、東京、現在サウジにも建設中、平たく言うとアマンマンションチェーンです。作れば作るほど価値が薄まるパターンです。
■ 魂を売った「ブランド」の末路
大の日本好きで、ジャーナリストとして日本に滞在していた創設者ゼッカ氏の深い哲学や言葉の端々を引用されるだけに成り下がりました。
ロシアの不動産王の政治力によって、アマンのスパコスメが大衆化粧品のコーセーになり、ボトルはネームバリューだけの隈研吾デザインに。
隈氏の建築に対しても、業界から「早い、安い、朽ちゆく木造建築」としてネガティブな意見が絶えません。木のポテンシャルを活かさないインスタント建築。激しく残念です。
■ 裸の王様のメッキは剥がれるのか?
大人の経済事情だけでスパの良し悪しは決まらないし、現場に行けばその豪華さに酔いしれるでしょう。
しかし、不動産市場の動向次第では、「この裸の不動産王」のメッキは一気に剥がれ落ちるかもしれません。
世界のトップが提示する「高級スパの見本市」を眺め、その演出の裏にある醜い意図を読み解く。それ自体が、私にとっては至福の「ヘルスビューティーアート」なのです。
スパコスメへの違和感は、単なる思い過ごしか?
それともアマンが終焉に向かう予兆か?
これからも、遠く日本のお風呂の中から、鋭く、じっくりとこの「巨大なブランド」を観察し続けていこうと思います。
Adrian, please bring back the true Aman.

